原因・対応

中学生の不登校の原因と早期解決に向けた対応【カウンセラー解説】

中学生は、最も不登校生のリスクが大きい年代です。

小学校から中学校にかけて環境は大きく変わる上に、心身の変化が最も大きな時期であり、学業・部活・友人関係・恋愛・親子関係などのさまざまな面で壁にぶつかることがあります。

いつまでも子どもではいられず、かといって大人でもなく、誰もが大きな不安と葛藤を抱えて心が不安定になります。

そして、近年は一時期減少していた中学生の不登校の数がまた増えてきています。

不登校,人数

小学生の不登校は200人に1人の割合ですが、中学生では30人に1人の割合にまで増えます。

1クラスに1人は不登校生がいることになるので、不登校はどの子にも起こりえます。

不登校,人数

そのため、中学生の不登校は決して特別なことではありません。

いつでも我が子に起こりうる課題として、親は認識すべきなのです。

ただ、そうは言っても、「可能な限り短い期間で学校に戻れるようになってほしい」というのが親御さんの本音だと思います。

中学生の3年間は長いようで非常に短いです。

早く不登校から復帰することは、「友人関係」「学業」「進路」などの観点から考えても重要です。

そこでこの記事では、わたしがこれまで300以上の不登校のご家庭を支援してきた経験を踏まえて、中学生の不登校は学年ごとにどういった原因があり、どのような対応が適切であるかをご説明します。

ABOUT ME
タカジン
自分自身も不登校になった経験を活かし、300以上の不登校生の家庭を支援してきた不登校カウンセラー。不登校生の保護者の相談サービス『ぴあぽーと』を運営。

中学校1年生の不登校の原因

不登校,中1,中学一年生

小学生から中学生になるにあたって、新しい環境への緊張や順応する上でのストレスが中学生の不登校における最大の原因です。

「中学入学後のGW明け」と「夏休み明け」が不登校に最もなりやすい時期です。

具体的には、以下の環境と生活の変化が不登校を引き起こします。

中学生はルールが増えて生活が厳しくなる

小学校から中学校に上がると、体と心が成長してやりたいことは増えていくのに、学校のルールそのものは厳しくなります。

まず、制服、髪型、身なりのルールが厳しくなります。

言葉遣いも小学校では先生へのタメ口も許されたのが、中学校からは敬語になります。

また、それ以外の細かい態度や振る舞いにおいても、少しずつ大人に近づくことが要求されます。

部活動が始まる

小学校では、人間関係は同学年やクラスの中だけにおさまっていましたが、中学からは部活動が始まります。

それによって、同学年はクラス内と部活内の友人関係が入り乱れ、グループを形成する場面において気をつかわないといけない要素が増えます。

また、先輩後輩という縦の人間関係もはじまります。

先輩にかわいがられるのが得意なタイプだといいですが、上下関係が苦手なタイプだとストレスになります。

また、部活動では一番下の学年となるため、体力面でついていけない場合も出てきます。

定期テストによって数字で評価される

中学からは定期テストが始まり、本格的にテスト勉強という新しい勉強の仕方を求められます。

また、理科・数学・英語を中心に、学習内容も難易度が一気にあがります。

小学校では優等生だったのに、中学生になると成績が悪化し、落胆することも多いです。

こうした背景が原因となって、不登校を引き起こします。

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中学校2年生の不登校の原因

不登校,中2,中学二年生

中学2年生から不登校になるケースは割合的には少ないです。

2年生から不登校になったとしても、1年生の後半から休みがちだったという場合もあります。

もちろん進級時のクラス替えによって人間関係が変わり、突然新たないじめが発生することもありますが、割合的には少ないと感じます。

中学2年生の不登校は、以下の事柄が原因である場合が多いです。

息切れの内容は一つに特定できない

中学2年生で一番多いのは、息切れです。

部活動や勉強を自分なりにがんばってきたものの、限界がきて息切れしてしまうのです。

「部活動の練習が厳しい」などのように明確に原因がわかる場合もありますが、たいていは色々なことをトータルして息切れをおこしたので、原因が一つに特定できない場合が多いです。

休む暇のないスケジュールや環境

子どもには中学入学、高校受験、大学受験、就職という風に、次から次へと大きなハードルがやってきます。

それに対する準備で休む暇がない子どもの毎日は、「踊り場のない階段」であると30年前から言われています。

昨今の子どもたちは、それに拍車をかけるような過密スケジュールで過ごしているので、息切れをおこしやすいのです。

成果がでないことへの無力感

定期テストや部活動など、中学生になると優劣をつけられる場面が増えてきます。

がんばっても思ったような成果が出ず、無力感を感じることもあります。

成果が出たり、うまくいかなくても手応えをつかめたからこそ、次もがんばろうと思えるのです。

失敗続きで希望を見いだせず、手応えも感じられないと、無気力になっていきます。

こうした背景が原因となって、不登校を引き起こします。

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中学校3年生の不登校の原因

不登校,中3,中学三年生

中学2年生の箇所でも述べたように、中学1年生の段階で不登校を起こし、長引いているという場合がほとんどです。

しかし、中には、中学3年生特有の原因によって不登校になる場合もあります。

将来に対する漠然とした不安

中学3年生になると卒業が見えてきて、進路や将来に対して考えることを迫られます。

その中で将来に対する漠然とした不安が強くなり、不登校になることがあります。

親の不仲や離婚を見ていたり、上の兄弟が荒れている場合は、人生というものに自然と希望を見いだせなくなり、達観したり無気力になったりします。

また、上の兄弟がいない場合も、身近に自分の人生の参考になる存在がいないために不安を感じやすいです。

受験勉強のストレス

高校受験を控えているというプレッシャーや受験勉強のストレスも、不登校を引き起こす原因になります。

さらに、同級生の友人たちは勉強に励んでいるため、不登校になると自分だけ取り残されているような気持ちになります。

そのため、適切に対応しないと状況はますます悪化します。

中学を卒業することへの不安

せっかく慣れ親しんだ今の環境から、高校という新しい環境に変わることにも中学生は不安を感じます。

人間関係を作り直さないといけないですし、生活環境も変わります。

3年生という上の立場から1年生という下の立場に戻るという変化も起きます。

そうした変化が起きることに漠然と不安を感じ、受験前後から不登校になる場合もあります。

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中学生の不登校への対応の5つのポイント

不登校,中3,中学三年生

1. まずは学校を休ませる

子どものあせりや不安感を受け止め、がんばりを認めてあげてください。

学校を休み始めたら、本人には「しばらく休んでもいい」と伝え、安心感を与えましょう。

前日に行くと言っていたのに行けなくても、理解を示してあげてください。

2. 不登校の原因を理解する

落ち着いてゆっくり話ができる機会を子どもと持つようにしてください。

ただ、学校に行きたくない理由を言わない場合や言えない場合も多いです。

その時は、聞きすぎてはいけません。

何度も聞かれると罪悪感が増し、親が納得しそうな理由をとりあえず言って、あとから本人が苦しむことも多いからです。

不登校の原因は、いじめの有無の徹底的な確認は必要ですが、それ以外はわからなくてもかまいません。

なんとなく大体の事情を察することができれば十分です。

3. 罪悪感を軽くしてあげる

本格的に不登校になると、学校に行けない自分自身への罪悪感から逃れるために、ゲーム・ネット・スマホに依存するようになります。

夜更かしが多くなり、生活リズムが乱れることが多いです。

家族と会話をしなくなり、激しく反抗することもあります。

ただ、この状況における心の問題は、本人が自分で解決するしかありません。

不登校の自分自身と向き合い、不登校になった原因や今後について、自分で考えるしかないのです。

ただ、まわりが罪悪感を軽くしてあげることで、苦しい期間を短くすることは可能です。

「学校に行っても行けなくてもどっちでもいいよ」

「そんなことであなたの価値は変わらないから大丈夫」

といったような親の言葉があれば、落ち着いて自分自身と向き合いやすくなるはずです。

4. 自信を育む

学校に行ってなければ、何もしてはいけないわけではありません。

むしろ、お子さんが「好きなこと」「得意なこと」「興味のあること」に取り組んだら、どんどんほめてあげてください。

そうした取り組みの中で、成功体験を積み重ね、まわりからほめられることは、自己肯定感や自信の形成につながります。

それは、不登校からの回復に大きく寄与します。

また、可能であればお手伝いをお願いしてみてください。

家の中で役割を得ること、感謝されることも、自信につながっていきます。

5. 先生や友だちに呼びかけてもらう

生活リズムが良くなってきたり、表情がよくなってきたら、学校の先生や友だちに「学校に来てみないか」と呼びかけてもらいましょう。

たとえ嫌がったとしても、この段階にこういった投げかけがあると、学校に行くことを少しずつ考えるようになります。

最後に

不登校,相談

不登校生の家庭では、心と生活が荒れる子どもを見て、お母さんも一人で悩んで疲れてしまう場合が多いです。

なるべく一人で抱え込まずに、周囲に相談するようにしましょう。

もし相談相手がまわりにいなければ、有料にはなりますが、私のオンライン相談サービスを利用してもよいと思います。

家族と話をできるレベルの場合は、家庭教師をつけてあげるのも有効です。

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年齢の近いお兄さんやお姉さんと勉強しながら、高校や大学の話を聞くことで、学校への関心や将来への意識が高まります。

状況に応じて適切なサポートを選び、お子さんの回復を目指してください。

不登校生の親向け
オンライン相談サービス

私は長年、不登校の家庭を支援していますが、自分自身も不登校の経験があります。

当時はすごくつらかったですが、その経験がいま不登校カウンセラーとしてとても力になり、これまで300名以上の不登校生を支援してきました。

不登校は子どもの成長のステップの一つであり、適切に対応すれば必ず次に進むことができます。

「どうすればいいか分からない」と悩んだ時は、ぜひお気軽にご相談ください。

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