原因・対応

不登校生の心理とは?心の傷、治るきっかけ、親の適切な対応を解説

私は、不登校生の支援活動をする中で、多くの不登校生の心にふれてきました。

その中で、不登校の子どもたちが苦しい心理状態にあることを強く実感しています。

学校を休んで自宅にこもることで心の傷が癒されればよいのですが、決してそうではなく、むしろ心理状態は悪化することが多くなります。

なかなか周囲には理解しづらい不登校生の心理状態は、どのようになっているのでしょうか。

不登校生の心は二つの面から苦しんでいる状態にあります。

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タカジン
自分自身も不登校になった経験を活かし、300以上の不登校生の家庭を支援してきた不登校カウンセラー。不登校生の保護者の相談サービス『ぴあぽーと』を運営。

心が傷つく・心が疲れている

不登校,心理

不登校生の心を苦しめる一つ目の要素は、不登校の原因そのものです。

「家にいたり外で遊ぶほうが楽しいから学校をさぼる」という場合もありますが、

  • ①心がひどく傷つく
  • ②精神的な疲労が積み重なる

上記二点がほとんどの不登校の原因です。

「心がひどく傷つく」のは、先生に激しく叱られたり、友だちにバカにされたりといったことが背景に存在します。

「精神的な疲労が積み重なる」のは、転校して友だちができない日々が続いたり、中学で勉強と部活の日々についていけなかったりといったことが背景に存在します。

もちろん、「ある日から突然友だちから無視されるようになり、最初はがまんしていたけど耐え切れなくなった」といった①と②の両方が原因となる場合もあります。

こういったことによって、不登校になった時には心が傷ついていたり、疲れていたりする状態にあります。

不登校である自分を否定する

不登校,心理

規範意識と罪悪感

不登校生の心を苦しめる二つ目の要素は、学校に行けなくなったという自分自身に対する否定的な気持ちです。

学校に行かなくなった後の生活と行動は、子どもによって異なります。

部屋にこもったままの子どももいれば、ゲームをしたり外に遊びに行ったりする子どももいます。

ただ、どう過ごしていたとしても、「本来ならば学校に行かないといけない」という”規範意識”と「自分は学校を休んでいる」という”罪悪感”が心から消えることはありません。

まわりには元気そうに見えたとしても、心の傷が日々深まり、苦しんでいるのです。

なぜ、このようになってしまうのでしょうか。

当たり前のことができないつらさ

それは、人間は”当たり前のこと”ができなくなった時にそれを過剰に意識してしまうからです。

「毎日学校に行き、卒業し、就職し、毎日働きに出る」

こうしたことを私たちは”当たり前”だと思っています。

普段は「当たり前の生活や人生」なんて意識していません。

ところが、いざそれができなくなると、「そうしなければならないもの」という規範として意識され、必死になってしまいます。

例えば、寝ることが当たり前だと誰もが思っているため、不眠症になった人は眠ろうと意識しすぎると、かえってプレッシャーを感じ、寝つけなくなります。

不登校生も学校に行くことを意識しすぎて、プレッシャーを感じるのです。

行こうと思っても行くことができないし、行けたとしてもものすごく疲れてしまい、翌日からまたいけなくなるのです。

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不登校生の心理を踏まえた親の適切な対応

不登校,心理,親,対応

「心が傷つく・疲れる」と「過剰に意識してしまう」。

これが不登校によって苦しんでいる子どもの心理状態ですが、親御さんも似たような思いをした経験を思い出せば、自然と子どもの気持ちが想像でき、親として適切な対応も見えてくるはずです。

私は以下の対応が良いと思います。

アドバイスよりも共感を

不登校になったきっかけは、詳しくわからなくても、何か自信を失うできごとには違いありません。大人でも

  • 職場になじめない
  • 上司に怒られた
  • 仕事でミスをした
  • 夫婦でケンカをした
  • 親とケンカをした

といったような自信を失う時があるはずです。

そんな時、夫や友人にどう対応してほしいですか?

すぐに「こうしたほうがいい」と解決策を提示されたり、「大丈夫だよ」と簡単に励まされると、気持ちをわかってくれてないと感じますよね。

それよりも、「私はあなたが好き」という好意を伝えてもらったり、自分のことを肯定してくれたり、「今度●●に行こう」と遊びに連れて行ってくれる方がうれしいですよね。

思春期なので、詳しく話したがらない傾向が強い点は大人と違いではありますが、それ以外の上記のような心情は同じです。

子どもの気持ちに共感し、好意と肯定を示し、楽しく過ごすことが大切です。

どちらでも大丈夫というスタンス

学校に行けないことに対する過剰な意識については、どうでしょうか。

私は、この過剰な意識をおさえるために、「学校に行かなくていいよ」と言うのは60点ぐらいの対応だと思います。

その理由は二つあります。

一つは、「学校は行かなくていい=行く意味がない」と子どもが勘違いするからです。

子どもは、自分に都合のいいように大人の言葉を解釈してしまうことがあるんです。

もう一つは、「学校に行かなくていいよ」と言われるとむしろ逆に意識するからです。

気にしてはいけないと言われると余計意識してしまうのが、人間の心理です。

だから、「学校に行かなくていいよ」というのではなく、「学校に行っても行かなくてもどちらでも大丈夫」というのが良いのです。

「学校に行くか行かないかはどちらでも大丈夫」

「それによってあなたの価値が変わりはしない」

そのような親の気持ちがあれば、きっと子どもは安心できるはずです。

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最後に

不登校,親,対応

私は、不登校生の子どもには、「病人」のように対応するのではなく、「妊婦」のように対応することが重要だといつも言っています。

病気とは、何か悪い部分があり、それを元に戻るように治すことがゴールです。

それを不登校生におきかえたら、「それまで歩んでいた道から外れたから、元の道に戻るようにする」ということです。今のお子さんを否定することになります。

しかし、妊娠は、「心身の安全に配慮して生活し、新しい命を産むこと」がゴールです。

それを不登校生におきかえたら、「心身の安全に配慮して生活し、新しい自分を作っていくこと」になります。

だから、必要なサポートを心がけつつ、少しずつ成長するのを待つことが大切です。

好意を伝え、良いところを伝えて肯定する。

学校に行っても行かなくてもどちらでも大丈夫と伝える。

そんな自然な配慮を継続的に意識してみてください。

不登校生の親向け
オンライン相談サービス

私は長年、不登校の家庭を支援していますが、自分自身も不登校の経験があります。

当時はすごくつらかったですが、その経験がいま不登校カウンセラーとしてとても力になり、これまで300名以上の不登校生を支援してきました。

不登校は子どもの成長のステップの一つであり、適切に対応すれば必ず次に進むことができます。

「どうすればいいか分からない」と悩んだ時は、ぜひお気軽にご相談ください。

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